みなさん、ご無沙汰しております。編集担当のマキです。緊急事態宣言が解除されましたが、未だまん延防止等重点措置の時期が続いていますね。なかなか取材も難しいのですが、緊急事態宣言に入る前にGiugiaro Architetturaの日本代理人を務める若林 哲平さんにお話を伺うことができましたので、このタイミングでご紹介させていただきます。
(※距離を取り、原則マスク着用で取材を実施しております)
若林さんには3月に発売になったファブリツィオ・ジウジアーロさんにデザインいただいたwenaオリジナルのヘッド(以下、ジウジアーロヘッドと呼ばせていただきます)では大変お世話になりました。
●ジウジアーロヘッドの詳細はこちら
http://wena.jp/products/collaboration-and-limited/giugiaro.html
・ジウジアーロさんの日本での代理人を務める若林 哲平さん
若林さんとジウジアーロさんは、もともと親御さんたちが家族ぐるみで付き合いがあり小さいころから面識があったとのことです。成人されてからも親交が続き、日本での仕事の代理人を務めるようになったという経緯をお伺いいたしました。
ジウジアーロさんのお父様でカーデザイナーのレジェンドであるジョルジェット・ジウジアーロさんや、ジョルジェットさんと共にイタル・デザイン社を創設された宮川秀之さんらのご家族と共によく集まっていたんだそうです。(すごいメンバーですね!)
さて、そんな若林さんにもwena 3に装着するためのご愛用の時計をお持ちいただいたのですが、その前にまずはジウジアーロヘッドについて開発時のことや特徴などをうかがうことに。
話を聞き始めようとしたところ、、、
せっかくなので、と急遽ジウジアーロさんご本人とビデオ通話をつないでいただきました!!
この日、チームwenaの参加者はイタリア好きでおなじみの(!?)青野さん、ジウジアーロヘッド企画担当の熊倉さん、私の3名だったのですが、皆テンションが上がって大盛り上がり。緊張しながらもジウジアーロさんと若林さんにインタビューさせていただきました。
この日、ジウジアーロさんはご自身のオフィス兼展示室のようなところにから中継してくださっていて、スクリーンにヘッドの画像を出していただいたり、たくさんの車が展示されている様子を見せてくださいました。
緊張しながら会話を始めたのですが、すごく陽気に話してくださってすぐに打ち解けることができました。ここからはQ&A方式でインタビューの様子を紹介させていただきますね。
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Q:ジウジアーロヘッドが日本で発売となりましたが、今のお気持ちはどうですか?
A:宣伝をしにすぐにでも日本にいきたいくらいです!温泉にも行きたいです(笑)
Q:ソニーとの協業の話を受けた際にはどのように感じられましたか?
A:ファッションとテクノロジーを融合させるようなデザインを作ってみたいと思いました。
Q:今回デザインいただいた時計の特徴を教えてください
A:まずは魅力的な色使いです。挿し色の赤いラインが美しい。
それから、車のメーターを意識したデザインとなっていることです。そのため、美しさを持ちつつも情報を得やすい(見やすい)ということも大切にしています。
そして、この時計は30度回転する構造になっています。
回転前
回転後
この回転機構は他の時計にはない素晴らしい特徴です。モータースポーツだけでなく日々の運転時でもとても時間を確認しやすいです。メカ構造としても本当に洗練されています。
若林さん:この回転機構については本当に何度も何度も調整・議論して完成されたものです。苦労はありましたが完成度の高い仕上がりとなりました。
Q:今回の時計をデザインした時点で、日本について知っていることはどのくらいありましたか?(このあたりのパートは青野さんによるイタリア語での質問です!)
A:ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、日本については1978年に初めて訪問して以来、何度も訪れておりよく知っています。これまでに車や時計のデザインであったり、コンサルであったりと日本の会社との仕事もたくさんしてきました。
日本はすべてのものがきれいで美しく、洗練されていてとても好きです。
Q:今回の時計は日本の国旗をイメージしたようにも感じられますがどうでしょうか?
A:もちろん、そういった部分もあります。赤、白、太陽といった日本国旗のイメージに通じるものもありますね。
白はクリーンでトレンディなカラーとして使いました。赤のラインは私たちのサインのようなもので、1998年から父・ジョルジェットがデザインした車から使われているジウジアーロデザインを象徴するものです。この赤いラインをこの時計にも取り入れました。
・青野さんが見ているジウジアーロさんの本にも赤いラインが特徴的な車が
Q:完成された最終商品はご覧になりましたか?
A:もちろん、見ました。日本の方はリスペクトをもって正確な仕事をされます。単純なデザインスケッチの再現ではなく、テクノロジーも含めて細部に渡るコラボレーションが実現された美しいものに仕上がっています。私自身もとてもほしいです。ぜひイタリアでも発売してください!
Q:最後に、日本のwenaユーザーさんへ向けて一言お願いします。
A:「Just use it! You will be happy.」(とにかく使ってみてください。とても幸せな気持ちになれますよ)
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ジウジアーロさん自身も完成度の高さに納得のいただける商品をつくることができたようでチームwenaとしても一安心でした。
続いては会話中の裏話といいますか、今回の製作の裏話も少し紹介させていただきます。
実は、ジウジアーロさんは最初になんと16種類くらいの多数のスケッチを描いてくださいました。その中からチームwenaで今回のデザインを選ばせていただきました。担当の熊倉さんからは「第3世代のwena 3の基本ラインアップとなるヘッドなのでシンプルで美しいものを選んだ」とのことです。
インタビュー中に青野さんから「シンプルだが、他にないものを有しているというのはwenaのフィロソフィーに通じるものがある」とジウジアーロさんに伝えたところ、「パーフェクト!」と笑顔でお返事をいただけました。
(ジウジアーロさん、本当に素敵な笑顔をされます)
「あくまでこれはジウジアーロの時計ではなく、ジウジアーロデザインの“wenaの時計”だということが重要です。そういった意味でチームwenaの皆さんに通じるものがあると言っていただけて嬉しいです」と、こちらが嬉しいコメントまでくださいました。
そんなこんなで今回のデザインになったのですが、実は検討していてサンプルを作った別のカラーがあります。それがこちらです。(蔵出し未公開写真です!)
ブラックのケースに真っ赤な文字盤が特徴的なレッド色です。
ジウジアーロさんはこの色が実は一番のお気に入りだったようで、画面越しに見せたとたんにこのリアクションをいただきました。
赤はとてもスポーティなイメージで、フェラーリを想起させるようなところもあって、イタリアではすごく人気がでるに違いないとのことでした。諸事情でホワイトとブラックの2色展開となってしまうことは以前からお伝えしていたのですが、この日も「3色発売されるのでしたよね?」とあらためて聞かれてしまいました。
ご要望にお応えできずすいません。サンプルは後日ジウジアーロさんに差し上げようと思っています。
※後日、無事にお届けできました。イタリアから写真が届いたのでコラムの最後に。
急遽、ビデオ通話をつないでいただいたのですが、30分以上に渡りたくさんのお話をきくことができました。突然のお願いにもかかわらず終始笑顔で対応してくださって、本当に素敵な方でした。こんなジウジアーロさんのデザインされたヘッドですが、全国5か所のソニーストアなどで実物も見られます。ぜひご覧いただき、気に入ってくださった方は腕につけていただけると嬉しいです。
(ちなみに、最後の最後まで「赤色もまた検討してね」とおっしゃっておりました。)
ここまではインタビューの模様をお伝えしてまいりましたが、ここからは若林さんにお持ちいただいた時計にwena 3を着けてみましたので紹介いたします。
この日お持ちいただいたのはこちらの3本。
左から、
・若林さんが長年ご愛用されているPANERAI「LUMINOR SUBMERSIBLE」
・Bell & Ross
・ジウジアーロさんがデザインされたセイコーさんの時計(復刻版)
です。どれも貴重なものをお見せいただくことができました。
今回合わせたのは、PANERAIにラバー、Bell & Rossにmetalシルバー、ジウジアーロウォッチ復刻版にはレザーブラックです。
このジウジアーロウォッチは復刻版が出るたびにすぐに完売してしまうほどの人気とのことです。オリジナルのメタルバンドと同系色のブラックのレザーを合わせてみました。
wenaのジウジアーロヘッドとはまた趣が違ったカッコいい1本ですね。
若林さんご愛用の時計たちもwena 3の装着でまた変わった印象に。
実際に着けてみてくださったのですが、若林さんからもこういった着け替えができるのは面白いとおっしゃっていただきました。
今回も素敵な時計に出会うことができました。そして、急遽ジウジアーロさんとお話しする機会も作ってくださって、チーム一同、感謝しかありません。若林さん、本当にありがとうございました。
それでは、今回はこのへんで。次回また楽しみ!(と、いったん締めますが、もう少し続きます)
赤いジウジアーロヘッドがジウジアーロさんのお手元に無事に届いたようで、6月中旬にイタリアで開催されたミッレミリアというクラシックカーのイベントに着けてご参加いただきました。お礼とお写真、そして力強いコメントをいただきましたので最後に紹介させていただきます。
「They just said great!! And the red (I show them the other colors by picture) is the best!」
(観客の皆さんは「グレイト!!」と口を揃えた。他の色も写真で見てもらったが、赤が最高だね!と)
ずっとおっしゃっていましたが、イタリアではやっぱり赤が人気だと証明されたようです。残念ながら日本では発売がないのですが、、、もし本当にほしい方がいらっしゃいましたら数百個単位とかならもしかしたら製作できるかもしれませんので、それでもという場合はTwitter(@wena_japan)などへのメッセージでご相談ください(笑)
それでは、今回は本当にここまで。最後まで読んでくださってありがとうございました。